「私」を届ける英語
英語は、ただの「外国語」だと思っていました。
けれど、
英会話の講師として語学とかかわる中で、気がついたことがあります。
それは、
英語は「主語を立てる言語」だということです。
たとえば、友達や家族と話しているとき。
眠くなったら、
「眠いな」と言うことはあっても、
「私は眠い」とは、あまり言わないと思います。
日本語では、主語を言わなくても、
なんとなく通じてしまうからです。
けれど英語では、
“I am sleepy.”
のように、
「誰がどう感じているのか」をはっきりさせる必要があります。
同じように、日本語では
「財布を失くした」と言えば通じますが、
英語では
“I lost my wallet.”
と、「私の財布」と、
誰のものかをはっきりさせます。
さらに、日本語では
飲み会などで
「私はビールね」と言うことがありますが、
これをそのまま英語にして
“I’m beer.” と言ってしまうと、少しおかしなことになります。
be動詞は「=」のような働きをするので、
“I am beer.”
=「私(という存在)はビールです」
になってしまうからです。
英語では、
「私はビールをどうしたいのか」
をはっきりさせる必要があります。
「ビールを1杯飲みたいな~」というときには、
“I’ll have a beer.”
“I’d like a beer.”
このように、
主語だけでなく、
「どうするのか(動詞)」があって初めて、言葉になります。
英語では、
「私はどう感じているのか」
「それは誰のものなのか」
「私はそれをどうしたいのか」
を曖昧にしたままでは、言葉になりません。
つまり英語は、
自分を主語にすることを、
構造として求めてくる言語です。
こころ・ねでは、
この「主語を立てる感覚」をとても大切にしています。
言いたいことが言えず、
気持ちを飲み込んでしまうとき。
多くの場合、
「自分」が言葉の中にいなくなっています。
だからこそ、
「私は〜と感じる」
「私は〜したい/したくない」
と、自分を主語にして言葉を整えていくことが必要になります。
そのときに、英語はとても役に立ちます。
英語が得意である必要はありません。
むしろ、
「眠たいなあ」
→「私は眠い」
→ “I am 眠い.”
→ “I am sleepy.”
と、日本語を使いながら置き換えてみるだけで、
主語を立てる感覚が、はっきりしてきます。
英語は、学ぶものというより、
「主語を取り戻すための補助ツール」として使うことができます。
言葉にならない感覚を、
少しずつ、自分の言葉にしていく。
そのプロセスの中で、
英語の「主語を立てる」という構造が、静かに支えてくれることがあります。
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こころ・ねでは、
対話・呼吸・言葉を通して、
「自分へ戻る時間」を大切にしています。
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