正解は自分の中にある
主語を奪われた人は、正解を外に求める。
判断基準が、評価基準が外にあるから。
それは、「食」に対しても同じだ。
私は、食に対する欲がほぼない。
好きな食べ物を聞かれても、答えられない。
甘いとか辛いとかはわかるけれど、
「美味しい」という感覚がピンとこない。
そして、「不味い」も分からない。
幼少期から父親の徹底した支配下におかれていた私は、
毎日の夕食が恐怖の時間だった。
食卓に並ぶのは、父親の好きなものと食べられるもの、
そしてお酒。
何がスイッチになるか分からない。
突然、怒りだし、
私のあらゆることに難癖をつけ、
暴力的な言葉を浴びせられ、
ものを投げつけられる。
1時間以上、時には一晩中、
私はひたすら耐える。
涙を流しながら、
とにかく目の前の食べ物を口に運び、
咀嚼し、飲み込む。
その繰り返し。
味わうこともできないし、
思いつきもしなかった。
美味しいも、不味いも、
感じる余裕がなかった。
そのうち、食への関心がなくなった。
出されたものを食べるだけ。
長く抑圧された生活を強いられた私は、
そのうち、自分が食べるものを
その日のラッキーフードとか開運フードと
紹介されるものを選んでおけばいいと思うようになった。
いつしか、
「紹介されているものを食べなかったら何かトラブルが起きる」
とさえ思うようになった。
「これを守っていれば安心」だと、
食べ物だけでなく、色や服、アクセサリーなども
「開運」と紹介されるものを選んでいた。
「本当は何がしたいのか、何が欲しいのか」が
分からなくなればなるほど、
「安心」が欲しくて、外へ外へと答えを探し、
それに縛りつけられていった。
でも、本当に色々なことを経て、
自己対話の時間をとり、
自分について考え、
自分を理解し、
自分の言葉で
自分について安心して語れるようになった私は、
今朝、「避けるように」と紹介されていた
「黒色」のスカートを
身に着けるけていることに気がついた。
外側の判断基準、評価基準からの脱却中である私は、
まだこの開運食・色の情報に心が傾きかけてしまう。
今日も、この情報に触れてしまった私は、
昨日から「黒は避ける」を
徹底して準備をしていた。
でも、出かける直前になって、
「スカートは、やっぱりこっちだな」と、
普段から履きなれている黒いスカートに着替えて
家を出たのである。
これは本当に無意識だった。
電車から降りて目的地へと向かって歩くなか、
「あっ!黒!黒を着てしまっている!」と、自分に驚いた。
あれだけ前日から準備していたのに、なぜ?
以前の私なら、この瞬間に、
「どうしよう!ダメって言われていたものを着てしまった!」
「とんでもないことが起こるかもしれない」
などと、パニックになり、不安状態に陥ってしまっただろう。
でも、今日の私は違った。
「まっ、いいか。こんなことで、何か起こるわけないし」と
黒色を身に着けている自分を、あっさりと受け入れていた。
そして何よりも、不安になどならなかったのである。
それは、自分自身の感覚で選んだ行動だったからではないだろうか。
自分が主語であれば、安心が生まれ、安定する。
まだ少し揺れることはあるけれど、
今の私はこうして、
ちゃんと自分の声を聞いて、
自分の根に戻ってこれている。
私は今、Beautiful Stateにある。
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こころ・ねでは、
対話・呼吸・言葉を通して、
「自分へ戻る時間」を大切にしています。
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